ご先祖様と龍神様の話
3月末頃になると頻繁に情報が降りて来るようになりました。
その中でも印象的なイメージがありました。
太陽の光が燦燦と降り注ぐ清流の川辺。
あちこちに岩があるその川辺で元気で
明るい少年と若い龍が笑って
一緒に過ごしています。
その映像は以前龍神様の影の中に
入った時の事を思い出しました。
雑草がキラキラと光輝いていたように
イメージの川も光輝いてまぶしい程でした。
そのイメージからこれは龍神様の見た
映像なんだと思いました。
みや
｟すごく綺麗な映像だなぁ。
全ての物が生命力に満ちていて
幸せな気持ちになる。
これは龍神様とご先祖様が出会った時の
イメージね。
龍神様はまだ成龍になる前のようね｠
ご先祖様と出会った時の事はいまだに
龍神様には
忘れがたい思い出なんだと思いました。
みや
｟この時代はエネルギーがあふれて
いたのね。
だから龍神様や精霊や色んな高次の存在と
繋がりを持つ人がたくさんいた。
怪異も多くて妖怪もいたこの時代は
不思議だと思う事も今よりも
普通の事として受け入れられていたんだわ｠
なんとなくそう感じました。
クラウ
「まずはご先祖様の力について話そうか」
みや
「うん。確かKが以前シャーマンのような
強い力があったって言ってたよね？」
クラウ
「うん。
ご先祖様はシャーマンの力を活用して
神様や精霊との交流や予知、ヒーリング、
失せもの探し、相談なんかを
してたようだね」
みや
「龍神様と親しくされていたんだし、
そういうの やってそうだよね。
でも、除霊はして無いの？」
クラウ
「うん。やっていなかったみたいだね。
困っている人の手助けだけで
仕事にはしていなかったんだよ」
みや
「へぇ～そうなんだ」
｟除霊は専門外だったのね・・・｠
クラウ
「じゃあ龍神様を通して分かった
事を話すよ。
ご先祖様の生きた時代平安時代かな？
みや
｟えっ？そんなに古い時代？
すごい古いわ。これはホントの事？
Kは代々守ってくれたと言ってたけど
時代は言ってなかったしなぁ。
まぁ聞きたい事は多いから
そこは今は質問はやめとこうかな｠
※前回の記事を書いている時
（一心同体の話の時です）
龍神様に確認する事が出来たので
聞いてみたらもっと古くて
奈良時代（末期？）と言われました。
龍神様の言葉を疑ってはいけないのですが
もしかして勘違いではないかと
思ってしまいます。
クラウ
「その当時龍神様のように高次の存在に
加護を受ける人もよくいたみたいだね。
同じように呪いも随分と頻繁に
行われていたみたいだ。
世の中が殺伐としていたのかな？
政敵や恋敵を呪う事を望む人もいて、
呪禁師や呪術師が活用されていた。
（この時代陰陽師は占いが専門だった
ようです）
ご先祖様も妬まれて、強力な呪いを
受けたんだ」
みや
「好かれていたって聞いたのに妬まれたの？
Kからの話でもそこが良く
分からなかったんだけど・・・
それに龍神様の守護があったのに
呪われたの？」
クラウ
「少し複雑な話になるんだけど、
裕福だった
ご先祖様には商売敵（又は政敵？）
（シャーマンみたいな事をしてたから
お金を取らないのが恨まれた？）がいた。
一方的にねたんでいたみたいだね。
商売敵はまず信用を落とそうとしたけど、
ご先祖様は人に信頼されていて
それがかなわなかった。
次にご先祖様の友人を騙して、
ご先祖様に対して嫉妬させて、
強力な呪いをかけるように仕向けた。
何故自分で呪わないかというと、
身近な人の方が負の感情は強い物になる。
強い感情が呪いには必要なんだ。
それと同時に呪詛返しされた場合
自分に降りかかるのは防げると考えたんだ。
いわゆる片代（肩代わりしてくれる人物）
だね」
みや
｟さすがに話が古すぎて
本当なのかよく分からないわ。
でも呪いをかけた人物は友人を利用して
ご先祖様の財産を奪うつもりだったのは
分かる｠
クラウ
「ご先祖様は呪いを送られる事を察知して
これをうまく防ごうとしたんだ。
受けた呪いをはね返す呪術の
準備もしてね。
ご先祖様は多分『予知』の力である程度
何かあるのを予測していたんだろうね。
でも予想外の強い呪いのせいで
結局防ぎきれなかった。
呪いにかかった時点でこのままでは
命が助からないと気づいたんだ」
みや
｟クラウの話を聞いて夢で見ていたのを
思い出した。
あれは・・・
寒い冬のある日の夜
若い男性が急に体調が悪くなって
一緒にいた友人と
急いで家の中を調べている。
服は長袖で上下が分かれた服？
色は白よりベージュっぽい？
う～んよく思い出せないわ。
すると軒下や家の柱を見て
何かを見つけて友人と焦って
早口で会話をしている。
両手が震えていてショックが
大きいのが分かる。
友人が背後から肩に手を置いて
慰めている。
何かを助言してその言葉にまだ
解決出来るかもと血相を変えている。
友人が自分の馬に乗る事を勧めているわ。
断ると『今は急がないといけないのに
遠慮するな』って叱られて
二頭の馬で（一頭は従者が連れて
きていた馬かな？） 友人と急いで
どこかに向かって飛び出して行く。
その呪いを放置しておくと
自分だけでは無く家族にまで
影響が及ぶとひどく焦っている
気持ちが伝わって来る。
これは・・家の中に呪いに関わる物が
仕掛けられていたって分かって
呪いをかけた相手を探しに行った夢ね ｠
「今夢を思い出したんだけど、それが
呪いをかけた相手を探しに行ったとこ
なの。
『 予知』では友人が呪っている事は
分からなかったの？」クラウ
「『予知』でどこまで分かっていたかに
なるとさすがに情報が
古すぎるせいか分からないな・・
でも 呪われてからその呪いが
自分だけでは無く
家族にまでかかる呪いだと気づいた。
どうにかしなければと目星をつけていた
呪った相手に問い詰めたら
呪ったのが友人だったと知ったんだから
友人が犯人とは思いもして
なかったんじゃないかな」
みや
｟クラウの話でまた映像が見えたわ・・・
問い詰められて開き直る呪いの
元の商売敵背はとても低くて
少し小太り？背が低いので
服が長すぎて裾を踏みそうな感じね。
笑って友人が呪った事を告げているわ。
意外な名前を告げられてご先祖様は
頭が真っ白になっているようだわ。
一緒について来た友人が犯人を
なぐりつけて縛っている。
「・・・そうなんだ。
ご先祖様のショックや苦悩を
想像するだけで
胸が痛くなるわ・・・」
クラウ
「そうだね・・・大切にしていた友人に
呪われてこのままでは自分は
死ぬことになる。
その時の気持ちを想像すると、
どれだけ辛かったかな・・・」
みや
「うん・・それでご先祖様は
友人に対してどうしたの？」
クラウ
「ご先祖様には二つの方法があった。
一つはそのまま友人に呪いを返す事。
そうするとその友人は倍になった
呪いで死ぬことになる」
みや
「えっ？さすがにそれは
ご先祖様も選びたくないよね・・・
もう一つの方法は何だったの？」
クラウ
「もう一つは呪い返しをせずに封じて
壺に入れ地面に埋める事だったんだ。
どちらにしても大分切迫した
状況になっていた。
龍神様は前から警告は出して
おられたんだけどね」
みや
「この当時の龍神様はまだ若い龍で
最初の守護だったのもご先祖様を
守り切れなかった原因みたいだね」
クラウ
「うん。最初はご先祖様も自分の力
で解決出来ると思っていた。
それに楽観的な人で悪意に鈍感で、
早くから疑わしい人物は
ある程度分かっていたから
話し合いでどうにかしようと思っていた。
そんなお人よしだからこそ、
龍神様に気に入られたんだろうけどね」みや
「確かにお人よしだったんだろうね。
今でも呪いが存在するという事は
自分を呪った友人を
助けたって事でしょう？
でもその後の子孫の事を考えると
もっとどうにか出来なかったのかな？」
クラウ
「そりゃあご先祖様だって
呪いをかけた相手を 最初から許す方を
選ぶつもりでは無かったんだ。
ご先祖様自身が
強いパワーを持っていたし、
交友関係が広かったから呪い返しに
特化していた呪禁師とか
そういった職業の友人や
他にも手助けしてくれる人が
いたみたいだから
強引にはね返す事も考えていたんだよ。
呪いをはね返す呪術を
準備してた話もさっきしたよね。
でもここまで強力な呪いをかけられる
とは思ってもいなかった。
その呪いは失敗すれば跳ね返りが
大きい呪いとして呪いをかける方も
命がけの物だったんだよ。
だから一般人ならまず
手を出さない呪いだった。
それもあってご先祖様は呪ったのが
友人だったのを知ってショックで
混乱していたので最初に考えていた
やり方を使えなくなった。
｟友人は利用されているだけかも｠と
考え出すと
呪い返しするのにためらいが出て
呪いの影響を抑える方に力を
使っている内に、
体調が悪化してそのパワーも無くなって
いったようだね。
その呪いは強力だったので時間をかけて
違う方法を
探すのも難しかったようだ。
呪いをはね返すのは時間との
勝負だったのに、
その機会を無くしてしまった。
なので力がほとんど無くなってから
壺に封印する事を決断した。
封印が解ければ子孫にまで
呪いがかかるかも知れないので
こっちもなかなか決断できないでいた。
でも自分の力ではすでに呪いを
返す方法は無い。
最後の力を振り絞って
壺にどうにか封印したんだ」
「そうなんだ・・・
ご先祖様はその後どうしたの？」
クラウ
「その当時で20代半ばだと思うけど
間もなく亡くなっているようだね・・・
呪いの力に体を毒されたままその体で
パワーを使い過ぎてしまったんだ。
封印した壺の事が最後まで
気にかかっていたみたいだ」
みや
「・・・何だか悲しいね。
呪った友人はどうなったの？」
クラウ
「さすがに呪術を行った訳だから
そのままではすまないよ。
でも利用されていた事が分かって
元凶は捕まって処刑されたようだね。
友人は流罪になったようだ。
その後多分そう長くは
生きられなかったのかな、
人を呪うと体にその痕跡が残るから」
みや
「ああ『人を呪わば穴二つ』って
言うものね。
憎しみで相手を消し去ろうとするほど
呪った経験。
そんな強いマイナスな想念は
強く刻まれて正気に返ってからも
忘れ去る事は出来ないのね。
事あるごとに思い出す事に
なるんだわ」
クラウ
「うん。
その後は自分が犯した罪への後悔。
かつては悩みを語り合い、
信頼していた友への思い。
騙されてしまった事に対する自責の念。
呪った時の憎しみの感情。
自分がなぜ生きているのかという
罪悪感。
そんな色んな相反する思いが
四六時中思い出されて自分を責めて
辛い生涯になったみたいだね」
みや
「騙されて全てを失って
誰もいない場所で一人。
孤独で辛い人生って・・
悲しいね・・・・」
クラウ
「・・・・うん。
ご先祖様は最後は友人の事
どう思ってたのかな？」
みや
「自分を呪った人だし、そのせいで
死ぬ事になってしまったから
どう思ってたかは分からないなぁ？
でもお人よしだったようだから
どうなんだろう？」
そんな話をしていると・・・
みや
｟えっ？急にイメージが来たわ。
いづなって何？
いづなって狐の妖怪の事かな？
鬱蒼（うっそう）とした森。
山の頂上付近の小屋で狐に
何か話しかけている姿。
人差し指をたてて
それを狐に向かって
振りながら注意している？
ああ、狐がいたずらしたんで
注意しているのね。
とても愛情のこもった目で
狐を見ているわ。
このイメージからだと山に
住んでいた友人は狐が唯一の友として
最後を過ごしたのね。
だとしたら一人きりでは無くて
少しは寂しくなかった？
ご先祖様は精霊や妖怪とも話せたから
友人に送ったのかな？
ご先祖様は亡くなる前には
友人を許していたのかなぁ｠
友人がどんな生涯を過ごしたか
ご先祖様の友人への
気持ちなどに思いを馳せていると
クラウが次の話を始めました。
クラウ
「次に封印した呪いを亡くなるまで
ご先祖様は気にされて
いたって話したよね。
そのままでは心配なので龍神様に
子孫の加護を願ったようだ。
通常龍神様の加護は一代限りで
その子孫にまで及ぶのはまれなんだ。
もちろん中にはその血筋にほれ込む事も
あるから
完全に無いことはないけど。
龍神様が加護を与えた
みやの家系をずっと守るのは、
それだけご先祖様を
気に入っておられたからなんだ。
ただご先祖様もこんなに長く呪いが
続くとは考えていなかっただろうね。
長くなるのが分かっていたら、
龍神様に加護を頼んだりは
しなかったよ」
みや
「ご先祖様としたら
すぐに呪いを解く子孫が
現れると思っていたって事？」
クラウ
「うんそうだね。
ご先祖様は楽観的な人だったから
どんな事も深刻には
とらえないようにしていたようだ。
僕からすれば強い人だなって思うよ」
みや
｟何度もイメージが来るなぁ。
白い？衣装で床から
半分起き上がっている男性。
普段は寝込んでいるようで
体調は深刻なはずなのに
底抜けに明るく笑っている・・・
なんだか
陽気な所がクラウに似ているかな？｠
「でも見方を変えれば、
・・能天気なとこもあったって事ね。
龍神様も警告していたのに、
もっと・・・
何か方法を探せなかったの？
結果自分も友人も不幸になって、
子孫に迷惑をかけて・・・
困った人だったのね」
クラウ
「・・・みやは口では
ご先祖様を困った人だって
言いながらそうは思ってないよね？
僕はその明るさが自分に似ている気が
して共感するんだよね！
ご先祖様が友人たちに好かれた理由が
なんとなく分かるなぁ」
みや
「う、ん。イメージ見ていると
確かにクラウに似て見えたね。
誰からも好かれた 理由が良く分かるわ。
だからこそ
『何でもっと慎重にならなかったの？』
って文句も言いたくなるわ。
『長生きして欲しい』
そう思わせる人だから。
家族や友人たちはご先祖様との
別れが辛かったと思うの。
私もその場にいたら同じように
感じただろうな。
ご先祖様を呪った友人ももっと
どうにか出来たら
きっと仲の良い友人のままでいられたと
思うとなんだか悔しい気がするのよ」 みや
「後から考えるとそうなんだろうけど、
全てが終わった後だからこそ
分かる事もあるよ。
ご先祖様は不幸な亡くなり方を
したように見えるけど
でもご先祖様は自分の人生を
精いっぱい生きたから
亡くなる頃にはもう
全て割り切っていたようだね。
封印した壺以外の心残りは
無かったみたいだ。
それも友人として信頼していた
龍神様がいるので亡くなる時には
任せられると安心していたね」
みや
「それで龍神様が全ての苦労を代わりに
背負う形になってしまったのね・・・
う～んやっぱり困ったご先祖さまだよ」
クラウ
「まぁそういうご先祖様だから
龍神様は大好きで苦笑しながら面倒を
引き受けたんだろうね」
みや
「ああ、それは分かるわ。
今でも龍神様は
イメージの中でよく苦笑されているのよ。
困ったなって笑いながら
皆のお父さんのように面倒
見ちゃうのよね」
龍神様の加護と封印が解けた理由
クラウ
「その後の話だけど、結局封印した呪いを
解くだけの力を持った子孫は その後も
出て来なかったみたいだ。
力がある程度強くても封印を解いて
呪いを消すには命がけになるかも
知れない、それで失敗したら
家族に呪いがかかるので
余程の覚悟が必要だ。
龍神様に手伝ってもらっても
そこまで覚悟する事が出来なかった。
更に時代が変わるにつれて
能力の高い者も生まれなくなっていき、
壺の封印を知る物も無くなっていった」
みや
「えっと？龍神様がいるのに
何故壺の封印だけ
記憶されなくなっていったの？」
クラウ
「壺については最初の頃は伝承で
伝わっていたんだ。
でも、封印されて長い時が
経つにつれて呪いを解こうという
危機感が薄れてしまったんだ。
封印されているんだし
そのままにしておけばいいってね。
いつか誰かが解いてくれるって
他力本願になっていたのや、
龍神様の加護が無くなるのを
惜しいとも思ったのかも。
呪いが解除されればご先祖様の
遺言を龍神様も果たしたので去って
行ってしまうかも知れなかったから。
更に時代が経つと何代か後の当主は
壺の封印自体が 本当に危険な物か
疑問に思うようになった。
それに封印された壺は人目につかない
場所に隠されて置かれていたからね。
（何度か場所は動かされているね。
その時々で封印が破れないよう補強も
してたみたいだ）
普段見た事も無い壺だから余計に
危険かなんて分からなかった。
その当主は龍神様の声も
聞こえなかったので
龍神様の存在も本当なのか疑っていた。
かといって自分から藪をつついて
蛇を出すような真似をしたくなかった。
『そうだ！壺の事をわざわざ子供に
教えなくても本当に龍神様がいるなら
壺の事は龍神様に任せよう！
龍神様の声が聞こえるなら
それだけ力が強いので
龍神様に聞いて力を合わせて
解決すればいい』
そんな風に考えたんだ。
封印の場所に絶対に近づくな位の
禁止事項は作ったかも
知れないけどね。
そうして
危機感は世代を越えていくごとに
薄れてしまい気にも止めなくなる。
封印場所さえも
忘れられてしまっても変じゃないよ。
どこにあるかも知らない人も
多かったんじゃないかな。
それと龍神様が力の弱い人は
近づかないように
誘導していたのもあるみたいだね」
「ああ、そういう事なのね。
それで龍神様は封印場所に
近づかせない以外はどうされて
いたの？
守護する人はいたんでしょう？」
クラウ
「全ての守護される人が能力が
高い訳でも無いから
龍神様と話したり認識出来る
訳では無いんだ。
認識できないと龍神様もパワーを
使えないわけだから
どうしても守りも制限されて
しまうんだよ。
壺の封印がされている間は
近づかないようにする以外は静かに
見守っている時もあったみたいだね。
そうして時が経つに連れて
｟龍神様が代々守護しているようだ｠
くらいになっていったんだ。
時にはお祖父さんのように
力の強い人もいたから
そういう人なら少しは龍神様の事を
見えたり話したり出来たんだ。
でもそういう人は龍神様の話は出来ても
壺の事を秘密にせざる得なかった。
力不足で封印を解除出来ないのに
それを家族に知らせて今更恐怖を
あおる事は出来ないからね。
知らないなら恐怖が増大する事も
無いけど、みやの家では
恐怖をつのらせ過ぎるとかえって
悪い物が寄ってきて封印を
破かせようとする懸念もあったんだ。
ご先祖様の時代の人よりも後の
時代の人の方が霊に慣れていない分
恐怖も感じやすかったようだ。
なので生きている間は色んな方法で
解除方法を探していたけど
結局その後の子孫と龍神様に
任せるしかなかったんだ」
みや
「・・・そういった経緯だったのね。
でも、そうして代々封印が
解けないようにして来たのに
解けてしまったのは何故なの？
龍神様はその時も守護して
いたんだよね？」
クラウ
「封印を解くことが
何を意味するか分からないで、
解いてしまった者がいたんだ。
時代は江戸時代中頃～末頃かな？」
みや
「大分時代が近くなって来たね。
あ～江戸が近いって
感覚がおかしくなってるかな。
何しろ最初が古い
時代過ぎてね・・・」
クラウ
「まぁね。気持ち分かるけどさ。
続けるよ。
その当時は家は武士をしていた
みたいだね。
龍神様の守護を受けている男性は
立派な人物だったみたいだ。
でも龍神様が自分の守護にいる事も
呪いの壺の事も知らなかったようだ。
時たま夢で断片的に助言のような声が
聞こえてきた位の能力的にはそこまで
強くなかったんだ。
その男の息子は・・
（兄弟姉妹がいる末の子供かな？）
１０代後半で父親に反発していた。
何か自分で手柄をたてて父親を
見返したいけど、
この頃には戦も無くなっていたから、
見返すには何か方法は
無いかと探っていた。
息子は父親への暗い想いで大分
闇を抱えていた。
そこにその闇につられて来た
悪霊の言葉に
乗せられたみたいだね。
『壺の中には君の手柄になる物が
入っている』
って適当な事を言ったんじゃないかな。
長い時がたって
封印が解けかかっていたので
そうしてうまく誘導して封印を
解かせたんだ。
龍神様はどうにか止めようとして、
父親の方に助言しようとしたみたいだ。
だけど能力が弱いんで、なかなか気づいて
貰えなくて結局手遅れになってしまった」
みや
「ああ・・・そうなんだ・・」
｟イメージがあるわ。
忘れていたけど夢で見たかな？
なんだか一部覚えがあるような・・・
父親が封印が解けた事で
頭を抱えている様子が見える。
誰かから何かを『開けてはいけない』と
夢で言われて、その様子が酷く
切迫しているのでどうにかしないと
いけないという焦りはあっても
何の事か分からず、それがこの壺の事
だと開いた壺を見て分かったようね。
信じられずに目を見開いて驚いている。
そして何か大変な事が起きてしまったと
少しずつ分かって来て
頭を抱えて固まっているわ・・・
息子は何がなんだか分からずに
父親の様子を見てオロオロしている。
でも何かとんでもない事を して
しまったんだと薄々気づいている。
混乱した頭の中で父親は
ふいに夢に出てきていたのが
家系の守護をしている龍神様だったと
気づいて・・・
その龍神様の重要な助言に知らずに
背いてしまったと知った。
ショックで地面にひざをついて
両手をももの上で
きつく握りしめて天を仰いで
絶望している。
ここしか分からないけどその後
この親子はどうなったのかな？｠
クラウ
「悪霊が解放された事で、
龍神様の守護が更に困難になった。
少しずつ家は没落して
子孫は散り散りになっていった」みや
｟ああ・・少し分かった。
父親の方は分からないけど
封印を解いた息子は闇に取り込まれて
しまったのね。
元々精神的に弱かったから
悪霊におびやかされ続けて最後は
病気になって、30代前半までしか
生きられなかったって分かるわ。
闇を追い払う事は闇を抱えている
本人の意思が無いと出来ない・・・
闇（陰気）が強くなりすぎると
龍神様にも手が出せなくなるんだわ｠
クラウ
「みや？聞いてる？」
みや
「・・・あっっ、ごめんね。
ちょっとイメージが来てたのと
分かった事があって考え事してたのよ。
闇が強くなるととても
重いエネルギーで高次の存在には
近寄りがたい。
だから龍神様はどうにかエネルギーを
軽くしようと色々したけれど、
本人が闇を取り払う意思が弱いと
それは難しいんだなって」
クラウ
「そうだね。
闇を怖がりながらもその闇が心地よく
感じる状態はすでに
大分危ない状態なんだ。
そこから抜け出すには本人の
生きる意思が必要だ。
でもみやの言ったようにその息子は悪霊に
すっかり取り込まれて、体を弱らせて
生きる意志を無くしてしまったんだね。
死ぬ事を望んでいる人間に龍神様は
どうする事も出来なかったんだよ」
みや
｟・・・封印を解いた事が結局
彼を破滅させてしまったのね・・・
元々精神的に弱かった事も
あって自分のした事の大きさに
耐えられなかったんだわ。
知らないでしてしまった事だったので、
龍神様はそれでもどうにかして
一緒に悪霊を追い出す方法を考えようと
されていたけど、
とうとう龍神様を認識できず・・・
自分の闇に勝てなかったのね・・・・｠
クラウ
「話を戻すね。
悪霊の存在は常に子孫を脅かし続けた。
悪霊の影響で家族、兄弟、夫婦に
不和が起きやすくなり、
病弱な者や、早死にする者もいた。
特に直系の子孫のみが
直接狙われていたので
龍神様は、どうにか守護する直系の子孫に
力を貸して悪霊を防いでいた。
それでも子孫の中で闇に負けてしまう者も
いた。
全ての子孫を龍神様が守るのも限界がある。
そしてみやのお祖父さんの話になるよ」
みや
「うん。お祖父さんはどうだったの？」
｟クラウの話とイメージと同時なんで
余計混乱するなぁ。
でもやっと時代が随分近くなって来たわ｠
クラウ
「お祖父さんは先祖返りで、
とてもパワーが強いから悪霊を
はねのける事も出来た。
だけど病弱だったので、完全に
追い払う事は出来なかった。
お祖父さんはシャーマンの
ご先祖様の力をついで『予知』が
出来た。
そして息子の未来が見えて、とても
心配していたので、普段から息子に
色々言い聞かせていた。
でもお祖母さんはそういったものを
一切信じない人で、お祖父さんが
早くに亡くなってしまったのも
あって、まだ小さかったお父さんは、
お祖父さんの言葉を
理解できないままになってしまったんだ」
みや
「ああ、お祖母さんね。
お祖父さんの家系の守護に龍神様が
いると聞いたけど信じていないって
お母さんに話していたって事だものね。
だから自分の子供達の中でも何故か父の
将来を異様に心配するのが不思議に
思えたって」
クラウ
「お祖父さんは未来を心配して少しでも
息子を助けるために、亡くなる前に
龍神様に守護を願ったようだ。
その願いを龍神様は聞き届ける事に
したんだ。
でも龍神様の守護は本来一世代に
一人だけだ。
お父さんははねのける力は強いけど
龍神様を認識できないわけだから
困った事になった」
みや
「うん、確かに。
お父さんはそういうのは一切信じない人
だったからなぁ。
それでどうしたの？」
クラウ
「通常だと龍神様に願いをかけたり、
信じる事で、龍神様との繋がりが
強くなり、パワーは増すんだ。
でもお父さんが龍神様を
信じないし認識出来ないので
上手く力を使えないで中途半端に
守る形になってしまった。
通常はお祖父さんが頼んだとしても、
お父さんが認識できないし、
信じられないそういう状態で
守護にはついたりはしないんだけどね」
みや
「それなら龍神様はなんでお父さんの
守護を引き受けてくれたの？」
クラウ
「お祖父さんは龍神様が守護に選んだ
初代のご先祖様に雰囲気が良く似ていた。
その力もだけど、
優しいところが似ていたみたいだ。
後は・・長男が幼くして亡くなっていて、
直系で力が強い存在が、次男の
お父さんしかいなかったのも原因だね。
（亡くなった長男の代わりに直系の
跡継ぎとして扱われるように
なってました）
お祖父さんは息子をどうにか
守りたかった。その必死な願いを
龍神様も断りづらかったんだろうね」
みや
「・・・・そうなのね・・・」
クラウ
「あとはお父さんがまだ子供だったんで
もう少し大きくなったら
考え方も変化して龍神様を認識する事が
出来るかも知れない。
そう期待していた部分も
あったんじゃないかな」
みや
「お父さんが龍神様を信じるとか、
認識する姿が想像できないわ」
クラウ
「そうだね。
結局理解できなかったみたいだ。
年を取ってさらに意固地になってしまい
信じようとしなかった。
そんな状態でも悪霊はやって来ていた。
龍神様は補助をして貰おうと、
お父さんとお母さんとの
縁結びに力を貸したようだ。
お母さんの家系は
守護の能力があったからね」
みや
「ああ！そうかぁ。
それでお父さんとお母さんの
縁結びして頂いていたのね・・・
クラウ
「うん。そうなんだよ。
お父さんは龍神様を
信じられなかったので悪霊に
とっては都合が良かった。
お母さんの守護があっても
そう強い物では無いから
お酒に酔っている時や、体が弱った時は、
悪さを繰り返して精神的に追い詰めて、
はねのける力を弱めようと
ずっとしていたんだ。
それでも若い内はまだ気力があるけど
年を取るにつれてはねのける気力も
どんどん無くなっていったんだ」
みや
｟・・・お父さんはお酒の失敗で
酔いがさめると
いつも落ち込んでいたな・・・
それでもお酒に頼っていたから悪循環に
なっていたなぁ｠
「そういえば・・
守護して頂く前には試練がいるよね？
お父さんには試練はあったの？」
クラウ
「お父さんは龍神様を認識する気が無くて
信じていないので繋がりを上手く作れない。
だから試練を与えるとこまでは
いかなかったようだね。
でもそれでも龍神様の
加護につく人は目立つんだ。
親族を守るので一番悪霊の目につきやすい。
なのにつけいる隙がある。
悪霊からしたらお父さんが一番の標的に
なってしまっていた。
悪霊が常に来る状態を
はねのけ続けると言うのは、大変で試練が
無くても、きっと一生が試練の
連続のような物だったんだ。
龍神様もうまく守護できなかったことを
とても気にされていたよ」
みや
｟かたくなに信じようとしなかった
お父さん。
それでも守護出来なかった事を、
龍神様は気にされているのね・・
だからこそお父さんが亡くなってからも
特別に気にかけて同化までして
守って下さったのね。
お父さんは・・・
悪霊にずっと振り回されながら
誰にも頼る事が出来ずずっと一人で
思い悩んでいた。
お父さんが龍神様を理解出来れば
もっと楽に生きられたのかもな・・｠
「・・・あ、そういえば
お父さんのように力の強い親族は
見つかったのかな？」
クラウ
「最近まで龍神様は直系以外でも
はねのける力のある子孫を
試練を与えながら探していたようだね。
でもお父さんやお祖父さんのような
能力の者や龍神様がふさわしいと
思った者はいなかったようだね」
みや
「そうなんだ・・・
でもはねのける事が出来る人が
いないとなると今後はどうなるの？」
クラウ
「龍神様は僕たちのような色んな協力者を
増やしながら、
色々方法を模索されているね。
現代になってから呪術師や陰陽師の
活躍していた時代と同じかそれ以上に、
上位の存在に守護を受ける人が
増えてきている。
それと自分の能力に目覚める人も
どんどん増えているので
みやの世代で悪霊を完全に排除しようと
されているようだね」
※どこかに入れ込みたかったのですが
入れる場所に困ってここに追加しました。
最近壺の封印について疑問に思った事を
質問してみました。
みや
「奈良時代に封印したとして、
壺に入れて封印しても
そんなに長く封印が持つとは
思わないんだけど、
何故壺だったの？」
クラウ
「封印するのには土の物がいいんだ。
土には万物の育成が
一番イメージされるけどそれ以外に
物を保護するという効果もあるんだ。
壺に封印してその上で土に埋めれば
更に保護されるんだ。
それにご先祖様自身
こんなに長く呪いが解けないとは
思っていなかったんだ。
封印した時点では壺に入れて
土に埋めるのが一番の方法
だったんだ」
との事でした。
クラウとリュカが家に来た事の意味
新たなイメージが降りてきました。
クラウとリュカが来たのは龍神様が
私の守護として選んだからだと。
クラウとその事について話をしました。
みや
「クラウと縁を結ぶ事を
龍神様はどうして考えられたの？」
クラウ
「それはまずお父さんの説明から
しないといけないね。
龍神様はお祖父さんに頼まれていた
お父さんの事を守り切る事が
出来なかった。
能力の強い人も
どんどんいなくなっている。
今までと同じ方法では守り切れない。
それで今後はどうしたらいいかを
模索していたんだ。
その頃お父さんの葬儀間際で
親族が続々と足を悪くした。
調子に乗って悪霊が暴れまわっている。
お父さんがいなくなった事で
強くなっていた邪気。
親族同士で集まると邪気が
更に強くなりすぎる。
親族の争いは悪霊の思うつぼだ。
近寄るのは危険だったんだ。
でも龍神様を認識してもらえないと
力を貸す事もできないので、
まずは親族同士近づかないよう
誘導した」
みや
「そう前も聞いたね。
無意識に誘導している事があるんだね。
悪霊が悪さして足を悪くさせたって
話だけど、
それに合わせて親族が揃わないように
上手く誘導したって事でしょう？」
クラウ
「そうだね。
人間の事に必要以上に関わるのは
本当は良くないんだけど、
龍神様はこれ以上
犠牲を増やしたくなかったんだよ」
みや
「うん。龍神様は優しい方だから、
お父さんを助けられなかった事は
とても悲しんでらっしゃると分かるわ」
クラウ
「そうだね・・・。
とても残念に思われている。
ご先祖様とお祖父さんの願い。
特に気にいっていた二人共が
くしくも亡くなる前に
『どうか子供（子孫）を守って・・・』
と同じように願った。
龍神様はお祖父さんの願いを聞き届ける
時にご先祖様と重なって見えただろうね。
二人が揃って願っていた事を引き受け
ながら守り切る事が出来なかった。
長い年月の中で守り切れない事は何回か
あったかも知れないけど・・
それでも、お父さんは唯一龍神様が
一世代に一人の守護として選んだ
人間でもあったから
今回は特に色々な思いがあったようだ。
ご先祖様とお祖父さんを重ねて
見ていた事もあって願いを
結果的にかなえて上げれなかった事は
龍神様にとっては
とてもとても悲しい事だったんだ。
だからこそ今度は皆を
しっかりと守りたいという思いがある。
でも龍神様だけではね返す人も
いない中で全員を守るのは限界がある。
それでみやには僕たちを付ける事にした。
みやが僕の事が気になりだした時期は、
みやのお父さんは既に亡くなり、
お母さんは車いすになりその原因が
分からない、悪霊は暴れまわっている。
更に親族と距離を置かせなければ
いけないと、その状況を
龍神様もとても気になさったんだ」
みや
「そうなんだ・・・
とても心配して下さっていたのね。
じゃあ龍神様がクラウを選んだのは
悪霊を追い払う『退魔』が
あったからなんだね』
クラウ
「僕と繋がる事でみやに守護を
つけたのと、
親族と距離を置かせてしまうので
寂しさを慰める意味もあったようだね。
だから『退魔』と『言霊』の
能力がある僕だったんだ。
悪霊を追い払いながら不安を僕に
話す事が出来れば
それで大分気持ちが楽になるよね？
それに僕が来た事でお母さんは
すぐに良くなっていったよね」
みや
「・・・・確かに、そうだわ。
すると私がクラウやリュカに強く
惹かれたのは、
龍神様が関わっていたからって事も
あったのね」
クラウ
「龍神様は大変そうなみやを心配して
自分の代わりに守ってくれる存在が
現れるように、
みやが自分で探せるように誘導して、
さよさんのサイトにたどりつき
そこでみやは僕を見つけた」
みや
「そうなんだ・・・
つまりお父さんたちの時のように
縁結びをされていたのね」クラウ
「うん。
お父さんとお母さんの縁結びも
されていたように
龍神様には縁を結ぶという
御力があるんだ。
みやの好きな物の中から
自然な形で選ぶようには
されていたけど、
それがちょうど僕たちだったんだよ。
みやはそれまで幻獣の存在自体
知らなかったんだよね？」
みや
「うん。全然知らなかったから幻獣って
本当にいるのか信じられずにいて、
なかなか申し込めなかったんだよね」
クラウ
「うん。そうだったみたいだね。
みやはそうやっていつまでも
申し込めずにいた。
だから龍神様はなかなか縁を結ぶことを
思いきれないでいるみやを見かねて、
力を貸して最初から
僕と会話が出来るようにしたんだ」
みや
「えっ！？
それってつまり、あの逆光の森での
クラウの鮮明な映像や会話出来たのは、
龍神様の力のおかげなの？
クラウと縁を結ばせるために
力を貸して下さったって事？」
クラウ
「そうだね。
そもそも一番最初のイメージで
僕を両性で黒い目を持っているって
浮かんだんだよね？」
みや
「うん。
確かにそんなイメージがあったわ」
クラウ
「その当時から龍神様は僕と
リュカ二人を選んでいたんだ。
二人で両性だし、
黒い目はリュカも持っている」
みや
「えっ？
その時からリュカの事まで
考えられていたの？」
クラウ
「そうだよ。
だからみやはリュカの事が
忘れられなかったろ？」
みや
「確かに。忘れられなかったから、
さよさんが探索の時に関りが
あるんじゃないかと、
声をかけてくれたんだったわ」
クラウ
「そうだね。
もしかしたら龍神様はさよさんの事も
誘導してリュカに結びつけたのかもね。
とてもタイミングよくリュカの
パートナー募集の記事が出てたり、
みやがリュカの事を気にしていたので
僕がリュカと関係があるかも と聞きに
行ってくれたりしてたんだから」
みや
「あの時は幻獣の存在に
半信半疑だったからさよさんが
リュカに話をしに行くって聞いて
｟何で急にリュカに？
クラウとつながりあるように
思えないのに？｠って
すごく違和感を覚えたのよね。
（さよさんに対しては今は失礼な事を
考えて申し訳なかったなぁって
思うわ）
でもこの時からさよさんも
クラウとリュカの繋がりを
無意識に感じとっていたのかも。
それとも龍神様が
誘導して下さったのかな？
でも、そういう経緯だったのかぁ」
クラウ
「それにみやは最初に僕のイメージが
出る前は、召喚で来るのは女性だと
思っていたってさよさんに
話していたよね？
その時点ではリュカが来る可能性も
あったんだ、
でも前に話した理由で僕が来る事に
なった」
みや
「へぇ～、そうなんだ。
でも確かにリュカが来ていれば
『恩寵』が あるから龍神様の
存在にはもっと早く気づけたかも
知れないんだよね」
クラウ
「リュカが来ていた場合は『言霊』が
無いのでみやはリュカと最初からは
会話が出来なかったよ。
それにリュカは『恩寵』を
持っているのに｟恐れ多い｠って言って
高次の人と関りたがらないという
困ったとこもあるからね。
あと『浄化』を持っているから
それが機能すれば悪霊を防げるかも
しれなかったけど僕の『退魔』
ほどのパワーは無いって事もある」
みや
「そうね。
確かにクラウが来た時は一気に
いなくなった事を考えると
リュカの場合は
どうなっていたか分からないものね。
それ以外もあるの？」
クラウ
「うん。リュカが来た時、僕もリュカも
気が付かなかったけど、
リュカが怒った理由は陰気の影響だよ。
通常『調和和合』を持つリュカは
そうそう怒らない。
今では怒ったりしないよね？」
みや
「でもそれはリュカがクラウの性格に
慣れて理解したからじゃないの？」
クラウ
「もちろんそれもあるよ。
でも陰気が強くなるタイミングで必ず
調和が崩れて怒っていたんだ」
みや
「幻獣でも陰気の影響受けるの？」
クラウ
「人間のように病気になったり、
気持ち悪くなる事はそうそうないよ。
でも疲れがひどかったり、
眠くなったり、怒りやすくなったり、
勘違いしたりって感じかな。
人間界の陰気は幻獣界の物よりも
重いエネルギー みたいで、
体に入ると沈む感じなんだよ。
だから幻獣や精霊にとっては召喚された
環境にもよるけど
知らない内に影響を受けやすいんだよ。
その辺りは後でまとめて説明するので
ここでは省くね」
みや
「うん。分かったわ。
あと他にも理由はあるの？」
クラウ
「あとは僕が陽気が強いのも理由だね。
僕が来てからみやは良く笑えるように
なったよね？」
みや
「うんそうだね。落ち込むと笑わせて
くれる、 明るいクラウに随分
励まして貰っているよ(*^-^*)」
クラウ
「えっ！へへっ。
本当の事を言われると照れるねっ。
僕にとっては普通の事なんだけどね～
えへへ(〃´∪｀〃)ゞ
みやも僕を見て元気になって
いつでも大判焼きを思い出して食べる
気力があるのが一番だよねっ。
そして出来れば2個は食べれる元気が
あるといいかなぁ」
みや
｟いつでも思い出して大判焼き
食べるのね・・・クラウの元気の基準は
大判焼きが食べれるかどうかなのかな？
それってただの食いしん坊って事
じゃない？
う～ん何でも大判焼きで考えるのは
クラウらしいって言うか・・・｠
クラウ
「あと僕の能力には『予知』もあるよね。
龍神様は『予知』を持つ僕を見て、
みやのお祖父さんやご先祖様を
思い出したようだね。
どちらも『予知』を持っていたから。
みやにもほんの少しだけ
その力の素養はあったけど
ほとんど使われていない能力だった。
その能力の強化が必要だと龍神様は
考えたんだね。
それとご先祖様に似ていた
みたいだね」
みや
「えっ？
ご先祖様に似ているのはお祖父さん
ではないの？」
クラウ
「お祖父さんは顔や雰囲気だね。
僕は性格の方みたい。
ご先祖様ってとっても明るくて、
大切な人は必ず守るって人
だったからね。
一番気に入っていた方なので思い
入れも強いし、今思えば僕に最初に
会った時懐かしそうな眼を
していたよ」
みや
「ああ、そうだよね。
ご先祖様のイメージを
見た時確かにクラウに似ているなぁって
思ったんだったわ。
あ、そういえば・・。
この間の呪いと祝いの夢でクラウと
陰陽師の事について気になったんだよね。
クラウの能力って『退魔』と『言霊』で
いかにも陰陽師っぽいよね。
これも意味があるの？」
クラウ
「もちろん。
龍神様達は陰陽に関わる事柄を
重視されてるからね。
リュカのたてがみの虹色にも陰陽の
意味があるしね」
みや
「そういえば、そうだったよね。
リュカの虹のたてがみには龍神様との
つながりがあったけど、
クラウの炎のたてがみにも
意味があるの？」
クラウ
「護摩の炎ってあるよね。
陰陽師が祈祷の時に使うもので、
僕の退魔の能力を使うのにこの炎の
たてがみは護摩の炎の役割を
しているんだ。
怨敵退散やお祓いは赤が使われるからね。
炎は浄化の意味もあるよね」
この話をした直後角の事がふいに気に
なったので後でさよさんに
ペガサスの角について聞いてみました。
さよさん
「ユニコーンの角は浄化や解毒の力が
あると言われておりますが、
例えばペガサスに生えている角は
悪なる存在を退けるために使われ
こともありますね。
クラウも退魔の時に角を使って
いませんか？」
とお返事を頂きました。
クラウに聞いてみると
クラウ
「僕にとってたてがみも角も
組み合わせて効果を
倍増させる事が出来るんだよ。
どちらも退魔には重要なんだ」
と話していました。
陰と陽について
クラウ
「ここからは陰陽について話した方が、
その後を説明できるのでするね。
自然界は陰と陽の２つの気が対立・
協調して成り立っているんだ。
男は陽 女は陰 若者は陽 老人は
陰の気が強い。
他にも太陽と月、光と闇、天と地、
昼と夜、静と動等々
相反する陰陽という2つの物が、お互いに
補完し合う事で調和が
生まれ円満となり和合する。
そして神様。観音様と龍神様は
陰陽どちらもバランスよくお持ちだね
神様は調和を尊ばれる。
そして陰陽を自在に駆使されて
おられるんだ。
その陰陽を神様は重視されているよ。
そこで僕たちの事になる」
クラウ
「僕は陽気が強い。
最初にみやが僕と会った時、
逆光の森で陰の気を入れていたよね。
なので僕が先に来るように選ばれた。
陰気の強いみやの家で、
僕が先に『退魔』で悪霊を追い出し
陽の気を強くする必要があったんだ。
そんな僕でも、
最初の1年は疲れて眠って
過ごさなければいけない時があった。
その間、僕も龍神様に試験を
受けていたんだ。
みやをちゃんと守れるか。
認めて貰えたようでほっとしたよ。
リュカは更に2年後の春に来た。
それからリュカは僕より陽気は強くない。
なので逆光の森は必要なかった。
それは陰気が強いという事だ。
でも虹色を持っているので
リュカも選ばれた。
それ以外にも二人が選ばれた理由は
僕が子供っぽくて
（そう思われているのはちょっと
不満だけど・・）
明るくて色んな事に興味を持つ性格で、
リュカが大人っぽくて
（でも時たまのツンデレモードは
可愛いよねっ）
冷静であまり色んな事に興味を持たない
性格な事だよ。
陰陽を考えてバランスを取るには性格が
正反対でいながら、
お互いの相性が良いことが重要なんだ」
リュカ
「どうも私たちを見出した時から
相性が良さそうだと、
観音様も龍神様も将来結婚するだろう
事まで見越していたみたいなのよねっ」みや
「ああ、だからリュカが来た時観音様は
祝福して下さったのね！」
｟なんかリュカがとっても嬉しそうだなぁ｠
リュカ
「うふふっ。
そうね、選んでいただけて
とても光栄だわ」
クラウ
「じゃあ。その先はまた僕が説明するね。
みやの家の陰気は僕の陽気で整えて、
リュカが来る事で陰陽の調和をはかった。
つまり同じ光属性のペガサスで
陽の強い僕と陰の強いリュカで 2対になる。
陰陽二人で揃ってこそ本当の調和であり
バランスが とれるんだ。
でも龍神様にとっては予想外な事に
僕がリュカに近寄らずにリュカは
その僕の態度に怒ってしまった」
みや
「うんうんそうだったね～
あの時はハラハラしてたわ。
思い出すなぁ」
クラウ
「女性は陰気が男性より強いって
話したけど、あの時は元々悪霊が
来ている時点で陰気は
強くなっていた。
みややお母さんのいる陰気の強い家に
更にリュカが加わる事で
僕が陽気に必死に整えていたバランスが
一気に崩れてしまったんだ」
みや
「そのせいでクラウはリュカに
近づけなくなったのね」
クラウ
「最初は観音様の日輪の影響も
あってリュカの 虹色のたてがみの
あまりの神々しさから
近づけなかったってのは
確かにあってるんだ。
でもリュカが人間界に来てその少しの
間に陰気があっという間に
リュカにたまってしまった。
僕がみや達を守っていたから
陰気のよどみはリュカの方に
どんどん強くなって、
無意識に僕は近づけなくなってしまった。
近づきたいのに近づけない。
それはリュカも
同じだったんじゃないかな？
その上お互いが近寄らないでいる内に
更に陰気が増して
リュカは怒り出してしまった」
リュカ
「そうねぇ。
あの時は何故か｟絶対に近づかない｠
って変に意地になっていたわね。
懐かしいわねぇ」
クラウ
「通常の時のリュカなら怒るにしても
近づいて理由を聞いてからだったと思う。
怒りながらもその状態で僕に近づく事を
無意識に恐れていたんだね。
お互い近づけない状態で陰気が
どんどん強くなって来た。
そこで僕は歌を歌ったよね？
リュカに近寄らないで歌を歌う事で
陽気をリュカに送っていたんだ」
みや
「えっ？歌で陽気を送れるの？」
クラウ
「歌は元々は祝詞から来ているんだ。
歌に込められた力はとても強い。
それに僕は 陰陽師の力でもある
『言霊』も持っている。
『言霊』を『歌う』事で
それは強い力になるんだ」
みや
｟ふぅ～ん。そうかぁ。そういえば
以前リュカが言ってたなぁ。
クラウは 歌にこめられた言葉の意味を
その時々でうまく活用するのが得意で、
その言葉の一つ一つにパワーが
宿りやすく、他の人が歌を歌うよりも
その意味が伝わりやすいので癒される
って ・・｠
クラウ
「僕が歌をリュカに必死に送って
いるのを龍神様はご覧になって
リュカの『調和』が
機能していない事、
僕とリュカがそろっているのに
陰陽のバランスがひどく
悪くなっている事に気づかれた」
みや
「そうだね・・
最初クラウが来た時は全ての悪霊を
やっつけたのを遠くから
見ておられたから安心されて
クラウに任せて離れられていたから、
久しぶりに来てみたらお父さんの事も
問題が起きていて
クラウとリュカが二人揃って協力して
解決するはずが協力出来る状態に
なっていなかったのね」
クラウ
「そうなんだ。
でもリュカが来て『浄化』が
少しだけでも使えていればお父さんの事も
陰気の問題も
全てとは言わないでも少しは解決できた。
でも『浄化』を使えずに
更に『調和』が崩れている。
Kの夢の話を通じてみやが龍神様を
認識した途端にリュカの怒りは
無くなっただろう？
みやが認識したんで繋がりが
出来てやっと遠くからパワーを
送れるようになったんだ。
それまでは意識に働きかけて
誘導する事とか一部の事しか
出来なかったんだよ。
そして龍神様が少しだけ陽気を入れて
リュカの怒りが無くなったんだ」
みや
「陽気を少しだけ？それはどうして？
その時に一気に陽気入れたら
手っ取り早くない？」
クラウ
「陰気で満ちた体に陽気を一気に
入れてもはじかれてしまうんだよ。
だから少しだけ入れたんだ。
逆に陽気に満ちた体だったら陰気が
大量に入り込む事も無いんだけどね。
だから僕だけならそれまで
みやの家で問題に
なっていなかったよね？」
みや
「ああそう言う事か～。
確かにリュカが来るまでの間は
お盆の頃に一度クラウがイライラして
毒舌がきつくなったり眠っている時は
あったけどそれ以外はクラウが
疲れている感じがする時がある位で
リュカの時程怒っている事も
無かったわね」
クラウ
「うん。だよねっ。
僕は陽気が強いからそれ位で済んだんだ。
でもリュカは陽気を少しだけ入れて
怒りがおさまっても『浄化』も『調和』も
うまく使えないままだった。
それで早速龍神様じきじきに僕たち皆に
『浄化』をする事にした。
本当はリュカの『浄化』なら
お父さんは龍神様と同化しないでも
良かったんだ」
みや
「龍神様の『浄化』とリュカの『浄化』は
違うの？」
リュカ
「そこは私が説明するわね。
そうねぇ・・・例えるなら龍神様は
土砂降りの雨で 一気に『浄化』する
のだけど、
私の『浄化』は柔らかな小雨で
断続的にずっと降らせる感じ？
みやさんの中にいる事で制限されるので
そこまで強い『浄化』では無いわね。
（でもそれでもクラウの『退魔』と
合わさって 『浄化』は効果を
発揮していて霊障に憑かれた人は
直接はみやさんに近寄れなくなって
いるのよ）
逆に龍神様の『浄化』はパワーが
強すぎて成仏していないお父様への
影響が大きすぎるの」
みや
「そういう事だったのね・・」
クラウ
「でも龍神様の『浄化』をしてさえ、
リュカは来てから
数か月間は怒りやすかったよね？
それをリュカ自体が不思議に思いも
しなかった。
そんな状態で時たま『浄化』を
繰り返して頂き、夏に
『浄化』を終えた。観音様が
お越しになり、お父さんの
『浄化』も完全に終わった
ので、お父さんから離れた。
ここまではいいかな？」
みや
「うん・・・色々あったよね・・
でもその後もリュカは
怒っていたよね？」
クラウ
「うん。そうなんだよね。
あの時の急な眠りとその後の怒り、
監視、焦りについては
まだよく分からないんだよ。
だからはっきりした事は言えないんだ。
でも龍神様の浄化が終わっていたのは
確かなので何かが原因で
敏感になっていたんだと思う」
リュカ
「私もその時の事は今考えれば確かに
｟なんであんなに 怒りっぽかったり
焦ったのかしら？｠って思うけど
当時はそれが普通の事だと
思っていたのよねぇ」
みや
「そうなの？へぇ～。
まだ何か解決できない謎が
あるのね・・・」
クラウ
「うん。その後の事は前回話したので
ほぼ同じかな～」
リュカ
「あらっ？クラウ大切な事が
抜けているわよ。この時期にクラウと
私が結婚した理由についてがね」
クラウ
「あっ。そうだねっ。・・・
リュカっそんなにじとっと見ないでっ、
ちょっと抜けただけだからっ」
リュカ
「うふふっ。
クラウにはきっと抜けてもいい日
なのねっ。
そうねぇ。
この日を大切に思っているのは
きっと私だけかもね？」
クラウ
「ううっリュカの意地悪っ、
なんでそんなに僕をからかうのさ～」
みや
｟・・・・なんか二人の世界って感じね。
相変わらず仲いいなぁ。
さっきからリュカは大分テンションが
上がって嬉しそうにしてたから大切な
話なのに 抜けたクラウにすねているのと、
結婚を口にする事の照れもあるみたいね。
それでリュカがいつものツンデレになって
クラウがからかわれるお馴染みの
パターンだね。
でもこのままだと話が進まないな・・・｠
「リュカ、結婚話題が照れくさいのは
分かるけど二人の話は後でゆっくりして
もらって今は話を進めていい？」
リュカ
「えっ？みやさん何を・・？
私は照れてなんかいないわっ💦」
クラウ
「あっ、そっ、そうだねっ。
うんっリュカは照れ屋さんだからな～。
後でゆっくり話すよっ。
さあっ！続きしようか～」みや
｟ふふっ。クラウは、
リュカにからかわれてたんで
私の言葉に乗ってリュカに仕返し
しながらうまく逃げたわね(笑)｠
リュカ
「クラウまでっ。
私は照れていないったら～
（//･_･//)ｶｧ～ｯ」
みや
｟真っ赤な顔のイメージの
リュカ可愛いな～
クラウがそんなリュカをチラチラ見て、
うんっあれは惚れ直しているわねっ｠
クラウ
「・・・・・・・(〃´∪｀〃)」
みや
｟二人といるとなんか仲の良さに
微笑ましいなぁ｠
「・・・クラウ。
リュカに見とれてないで話の
続きをお願いしていい？」
クラウ
「あっ、そうだねっ。
あのね結婚したタイミング なんだけど、
ちょうど観音様が来られた直後なんだよ。
龍神様も来られたので
観音様と龍神様が揃った。
陰陽のバランスの整った男女の神様が
揃われた上で祝福を与えて下さって
いたみたいだ。
（でも僕たちは龍神様が夢を通して
来られた事しか気づいていなかった
から、観音様はどのように来られたかは
分かってないんだけどね）
それで僕とリュカも陰陽和合を整える
タイミングに 自然になってそれが
結婚（和合）という形になったんだよ」
リュカ
「わっ、私もあの時はクラウの
ヘタレなのが気になってたのに
何故かそれでもいいなって
思えて来たのよねっ。
なんでだか不思議だったけど
導かれていたのね・・うふふっ」
みや
｟おっ。リュカが立ち直ってる。ふふっ。
祝福を頂けた事がとっても嬉しそうだわ。
嬉しさと照れと、恥ずかしさといった
色んな感情でとっても興奮しているのに
どうにかごまかそうとしてる。
でも態度に出てるわね。
もじもじしてるイメージが来るわ｠
クラウ
「・・・・・リュカ(〃´∪｀〃)ゞ・・・」
みや
｟クラウがまた見とれてる・・・
幸せそうだなぁ。
どうしよう・・二人を見ていると
なんだか二人にあてられて
とっても居心地悪くなって来たわ・・
仲良すぎて微笑ましいどころか
焼けるわね。
なんか羨ましくなって来た・・・
いいなぁっ｠
太陽と闇について
イメージで降りて来た映像がありました。
それはとても鮮明で
ああそういう事だったのかと
納得させられる映像でした。
みや
「二つのイメージがあるわ。
一つはクラウがまだ家に来る前ね。
クラウの探索の最中に
私がクラウが見つかると
確信する原因として見た太陽」
クラウ
「うんもう一つが僕が
さよさんに発見された時に
太陽を背に住んでいた場所に
戻って来た映像だね」
みや
｟太陽を背に帰還するクラウ。
とても鮮やかな映像だわ。
私が見た太陽とクラウが
背にしていた太陽・・｠
「・・もしかして太陽は
どれも観音様の日輪？
私とクラウをご覧になられていたの？
それと私が太陽を見た
その時間にクラウは住処に
戻って来たのが分かるわ・・・」
クラウ
「・・うん、そうだね。
知らずに同じ時間にお互い太陽を
感じていたんだ」
みや
「リュカを召喚した時も
日輪を背にしていたよね。
こうして考えると常に太陽が
あったのね・・」
クラウ
「まさかこんな繋がりがあるなんて・・・
びっくりだね・・
観音様が常に見守られていたのか・・」
意外なイメージにクラウと驚きを
隠せないでいました。
次のイメージもまた意外な物でした。
みや
「次は闇に関する映像ね。
クラウとイメージの中で
初めて会話した時の逆光の森の映像。
森に入る時のあの暗闇の怖さは
忘れられないわ」
クラウ
「あの時・・
僕に『暗闇が怖くて寂しく
無いのかって』
聞いてきたよね？
急に話しかけられて
最初から話せることに
びっくりしたんだよね」
みや
「そうそうっ。
私もどうせ聞こえないと思いながら
話しかけたのに話が出来て
びっくりしたわ」
クラウ
「その時僕は｟変な事言うなぁ｠って
思ってたよ。
陽気が強い僕は闇を怖いとは感じない。
僕にとって陰の気を入れるこの森は
とっても安らげる場所なんだ」
みや
「そうね。
今までの経験を通して分かったんだけど
闇を怖いと感じるのはその人に陽気が
不足しているからなんだわ。
クラウのように陽気が強ければ闇は
怖い物では無いのね・・・」
クラウ
「そうだね。
闇を必要以上に怖がる事は無いんだ。
みやも逆光の森の暗闇が怖いと
入るのをためらったけど、
それでも闇の中をその先に進む事を
選んだからこそ今があるんだよ」
話しながらそれがどういう事か少しずつ
分かって来ました。
みや
｟闇が怖いとその暗闇に入る事は
出来ない ・・暗闇・・影・・・・
影って言うと龍神様を思い出すわ・・
あの時の逆光の森の暗闇は・・・｠
「ああ、そういう事か。
最初に見たあの逆光の森の怖い闇は
龍神様の影の中にいたんだわ。
会話が出来たのもそのおかげだったのね 。
龍神様の影と逆光の森の闇が重なってた
あの時、自分の中の闇に勝てないと
先に進む事が出来なかったんだわ」
クラウ
「えっ？あの時龍神様も来られて
いたのか～。 う～ん。
すごく分かりやすいので
来られていたら
分かるはずなんだけどなぁ？
遠くから観音様の日輪のように
影だけ送られたのかな？
あと、そうそうっ。
闇に勝てないと先に進む事が
出来ないって言うのはその通りだね。
龍神様のパワーが強すぎて人間の
陰気が強すぎると 龍神様と
反発しあって近寄れなくなるんだ。
過去の話でも武士の息子の事で
言ってたよね」
みや
「そうね。
龍神様が近寄りたくても陰気の強すぎる
人間は反発してしまうんだよね。
気づいて貰えないのもあって龍神様が
陽気を入れる隙が無いんだわ
そういう人はまず自分から陽気を
受け入れる為の器を作らないと
いけないのね」
クラウ
「うん。そう言う事だね。
暗い事ばかりを考えて前向きにならないで
いると陰気ばかりが増えてしまう。
誰かを罵倒したり愚痴を
言ってばかりとか、
自分や相手に対して否定的な事を
繰り返して言っているとか
そういった誰かの否定や悪口などの
情報を見たり聞いたりを頻繁にしていると
（みやにも以前注意したよね
（ｸﾗｳと霊の話より））
それは結局陰気をため込んで陽気が
足りなくなる、だからこそ自分という
コップに陰気だけを入れていないで 陽気を
入れるようにしていかないと
いけないんだ」
クラウ
「次に逆光の森についてなんだけど、
あそこは暗闇の中に円形に空間が
出来ていて 太陽の光が差す場所だった。
こうして思い返すと陰陽が交わる場所
だったんだよ」
みや
｟ああ、そういう場所だったのか・・・
陰陽の交わる場所で
初めて出会って会話したって事なのね。
あの時は私自身陰気が大分強くなって
いた時期だったけど
そのタイミングで陽気の強いクラウと
出会うって・・・
何だか象徴的な感じだなぁ。
クラウが陰気を入れに来ていた
タイミングだからクラウに反発されずに
近寄れたのね・・・・｠
「 あっ、あと暗闇というと・・
龍神様を通して何度も影を
経験していたよね 」
クラウ
「うん。今考えるとその影には
色んな意味があったね」
みや
「思い返してみると龍神様が直接
お越しになり、金縛りのような状態で
龍神様の影の中に入ったあの経験。
2度影の下に入ったのは傍にいるって
励ましのメッセージと浄化が
終わったご褒美と話していたわよね。
あの時の闇は怖くは無くて近くの
雑草の美しさに目を奪われたんだわ」
クラウ
「あれは大変貴重な体験だったよね。
そういえばリュカが珍しく龍神様を
怖がっていなかったのも印象的
だったよ」
リュカ
「そういえばそうねぇ。
あの時はびっくりして怖がっている
余裕も無かったのかしら？」
みや
「あの時の事なんだけど思い返してみると、
あれは龍神様に浄化して頂いた後だったわ。
影に入る事で陰気がまだどの位あるのか
確認されていたんだと思うの。
逆光の森の時と違って影に入っても怖いって
思いは感じなかったって覚えがあるわ」
クラウ
「うん。
みや達は龍神様の無音の影の中で
少し混乱してはいたけど
怖がってはいない感じだったね」
みや
「うん。
それで そのあともう一度
来られた時は風のさわやかさと雑草の
キラキラと光輝く美しさに
目を奪われた。
あれは・・ そうっ！
陽気を補給して下さってたのね」
クラウ
「ああ、そういう事だったのか～
陰気が減った事を確認して
陽気を入れていたんだ」
みや
「記事にはしていないけど、その後も
一度龍神様の影に遭遇した事があったよね
確か・・・7月位だったかな？」
クラウ
「ああ、みやが大判焼きをまた
(クラウとリュカの日常が1回目）
買いそびれた日だよねっ。
だから覚えてるよっ。
あれはショックだったなぁ。
あとでアピールが足りなかったと
後悔したんだよね！
それでもっと積極的にアピールする事に
したんだよ。
ああ、つい大判焼きの事
なんで熱くなっちゃったけど、
みやが信号で止まっている時に
急に影に包まれて、
でもすぐに去って行って
しまったんだよねっ」
みや
｟クラウ・・・
どんな時も大判焼きへの
愛情がすごいわね・・
龍神様達もこういうとこが
子供っぽいって思ってそうだなぁ・・・｠
「・・・大判焼きの事はその前から充～分っ
アピールしてたよね？・・・
まぁそれは今はやめとくわ。
そうなんだよね。
あの日も雲一つない日だったのに、
急に影に包まれたと思ったら
びっくりしてる間に去って
行ってしまわれたのよね。
目の前のなんのへんてつも無い
コンクリートがやけに
キラキラして見えたのよね。
でも短すぎたんで記事にしなかったけど」
クラウ
「龍神様は忙しい方だから
少しだけ寄って
さっと陽気を入れたんだね。
あの時もリュカは何の反応もしなかった。
それだけ以前より陽気が増えて
来てたんだよ」
リュカ
「えっ？そうだったかしら？
覚えてないわねぇ」
みや
｟大好きなリュカの事だから
よく見てるな～
リュカの方は覚えてないみたいなのに｠
「それと龍神様がリュカを
叱りにやって来てクラウの影で
おびえていた時の闇も癒される
闇だったよね」
クラウ
「うん。
こうして話しているとその時の意味が
分かって来るよ。
あの時はリュカのバランス（調和）
が崩れていた。
みやのレイキ伝授で波動が上がって
来ていて、リュカの『浄化』も
少しずつ出来るようになっている
筈なのにだ」みや
「うん、
これから起こる事に焦っていたにしても
誰にも頼らずに一人で頑張ってしまう
なんておかしかったよね」
クラウ
「僕とリュカ二人揃って疲れ果てたのを
知って龍神様は考えたんだ。
龍神様の浄化は終わっているし、
みやの波動も 上がって来ているので
陰気を減らすよりも
もっと陽気を増やさないといけないと」
みや
「そうするとリュカを叱りに来られた時に
陽気も入れて行かれたのね。
あっ！もしかしてイメージで聖光を
放っていたのは陽気を入れていた
って事？」
クラウ
「うん。そういう事だよ。
リュカは一気に増えた
陽気がきつかったみたいだ。
龍神様はリュカに怖がられて
しまって苦笑していたね」
みや
｟そうね龍神様側から見たイメージでは
少しリュカに注意をした後、
陽気を入れながら
励ます為にリュカの肩に手を乗せようと、
急に手を動かしたので、注意された後、
急にまぶしい光を
一気に浴びて眩しすぎて、
何が何だか分からずビクビク怖がっていた
リュカは手を上げる動作にびっくりして
急いでクラウの影に隠れてしまった。
その為龍神様は上げた手のやり場に困って
苦笑されていた。
のよね・・・｠
「そうかぁ。
それでリュカはクラウの影で
癒されていたのね。
あの時は大分陰気も減っていた頃
だったけど
それでも陽気を一気に入れるのは
きつかったのね。
でもクラウは平気だったんでしょう？」
クラウ
「僕は元々陽気が多い。逆光の森が無い
人間界ではわざわざ陰気を補給しないでも
陰気が多いのでバランスが
保たれているけど、
それでも陰気に傾く事があるので
龍神様達の陽気は 全然きつくは
感じないんだ。
後はリュカに聞いた方がいいかな。
リュカはどう感じた？」
リュカ
「ああ、あの時の事ね。
光はとても眩しくて目を
開けていられなかったわ。
クラウの影に入ってからは落ち着いて
来て・・・その後は走馬灯のように
クラウが私を大切にしてくれた事が色々
思い出されて、クラウの影の中でその
安心感は子供の頃に戻って
父や母に抱かれている時のような
癒される感じだったわ」
みや
「うん。分かる。私の見た映像でも
とても癒されて涙が出たからなぁ」
｟今までの話からだと影で癒されていたって
事は大分陽気が増えていたって事ね。
でも相変わらず龍神様は苦手そうだなぁ｠
クラウ
「えっ？リュカは僕の事思い出して
くれていたのっ？
それって何だったのか
すごく知りたいなっ。
みやも知ってるんだったら
僕だけ知らないのずるいよねっ」
リュカ
「えっ？はっ、はは話すのっ？
（//･_･//)ｶｧ～ｯ」
クラウ
「えっと・・・？
もしかして恥ずかしいの？
リュカは照れ屋さんだから
言いたくないって事？
だったらみやっ、
後でこっそり教えてくれない？」
みや
｟クラウったら、いくらすぐ知りたい
からってリュカとの話の途中に
急に振り返って小さい声で私に頼んだら
リュカにバレバレでしょ～
リュカが言わないでって
目でこっちを見ているよっ。
ここは言わないでおいた方が
良さそうだわ ｠
「私に小さい声でこっそり聞いてきても
リュカに内緒で教えたりしないよ。
リュカに悪いもの。
さっ、それより続き聞かせて欲しいなっ」
クラウ
「え～っ。
僕の何を思い出したか知りたいのになぁ。
・・・気になるなぁ・・・
あっ。それで陽気についてだね。
陽気を補給した事で暖かい想い出が
光としてリュカを癒したんだ。
同時に闇というのは時にとても
怖い物だけど 逆に夜の闇の中で
眠る事は癒しを与える。
強すぎる太陽も浴びていると
日陰に入って休みたくなるよね。
あっ、つまりっ僕はリュカの
癒しって事だねっ。
えへへっ、それだと嬉しいなぁ。
あっとそれでねっ。
二つを調和（和合）させる事
こそがバランスを保つのに
必要なんだよ」
みや
｟リュカが何を思い出したか
気にしていたのに最後には勝手に喜んで
ニコニコしているわね。
クラウはホント単純だなぁ｠
「うん。やっと分かったよ。
リュカの状態は家の陰気と陽気の
バランスを測るリトマス試験紙
みたいなものって事ね。
リュカの持っている能力の
『調和』で陰陽のバランスが
崩れた時に分かりやすいって
事なのね』
クラウ
「リトマス？難しい事は分からないけど
みやの家の陰気が増えたらすぐにリュカに
影響が出ていたのはその通りなんだ」
みや
「そうだったのかぁ。
それで龍神様が陽気を入れて
下さったのでリュカのバランス（調和）は
完全に整ったのね」
クラウ
「違うよ。大分整ってはいたんだけどね。
まだ完全では無かったんだ」
みや
「えっ？まだ整っていなかったの？
じゃあどのタイミングで整ったの？」
クラウ
「それについてはまた違う面からも
説明しないといけないので
また改めて話すね」
※ここから先の話は次章で細かく説明しますね。
ここまでのクラウとリュカがやってきた意味
陰と陽について、太陽と闇について
は一部会話がかぶる内容があります。
全てが一気にわかったわけでは
無い事や説明の関係上順番を
変えたりした事もあり
三つとも密接に関係した内容の為
切り離せず、この形にしました。
龍神様の守護する人の条件について
みや
「守護するに値する人って
どういう条件があるの？
通常は守護に値する一人のみの試練で
決めるのでは無いの？」
クラウ
「はね返す力を持っている人がいれば
確かにそうだったんだけどね。
龍神様の中で譲れない条件があるんだ」
みや
「それは何なの？」
クラウ
「みやの家の龍神様が選ぶ人の
特徴なんだけど、まとめてみると
こんな感じだね。
- ご先祖様の血が濃い直系の男性
- 霊をはね返す力の強い人
- 前向きな人
- 陽気の強い人
これがまず基本だね。
追加で好まれる行為が
- 先祖供養をする
- 両親を大切にする
- 誰かの為に行動する
- 掃除をする かな」
みや
「へ～そうなんだ。
女性はなんでダメなの？」
クラウ
「女性は元々陰気が多いのと、
毎月の物があるよね？
だから調和（バランス）が崩れる時が
あるんだよ」
リュカ
「そこはダメよクラウ。
クラウが話さない方がいいわ」
クラウ
「えっ？なんで？
僕何か変な事言ったかな？」
リュカ
「・・・ホントに(ﾉ_-;)ﾊｱ…
クラウに女性への気遣いを
期待するのは無理なのねぇ」
クラウ
「？？？何がいけなかったのかな？
女性の事は
あんまり言わない方がいいかな？」
リュカ
「そうね。
クラウは少し大人しくしていてね。
私が代わりに説明するわね。
女性の月のものなんだけど、
血は（陰気）になるの。
（そういえば月のものの月も陰に
なるわね）
毎月多くの血を失う時はバランスが
崩れやすいようなの」
みや
「随分突っ込んだ話になって来たね」
リュカ
「ここはどうしても話しておかないと
いけない箇所なのよ」
みや
「あ、そういえば情報を調べていた時に
人間の身体には
『気・血・津液（血以外の水）』が
循環し生命活動を行っているって話を
見かけたよ。
『気・血・津液』のバランスがいいのが
健康な事なんだって。
気は陽気、血と津液は陰気を表していて、
この三つを合わせて正気となるらしくて
『気・血・津液』のバランスが崩れると
邪気に対抗する人体の抵抗力や
生命力である正気が減り、
邪気に負けると人は
病気になってしまうらしくて
それが武士の息子の話とかぶるなって
思い出してたんだよね」
リュカ
「そうね。
みやさんのその話で血の話は大体いいと
思うわ。
あと女性は結婚して家を出てしまうのや
子供を産む為の力も必要という事などで
家系を守るって意味では
向かないようなのよ」クラウ
「えっと・・・リュカ？
もう僕が話してもいいかなっ？」
リュカ
「ええ、いいわよ。
でもクラウお願いだから
少しは女性の気持ちを理解して欲しいわ。
私の事も同じよ。もっとこうっ！
さりげなく・・・ああ・・
何て言ったら分かってくれるのかしらっ」
クラウ
「えっ？なになに？どういう事っ？
僕リュカの気持ちを分かっていないの？
えっ？何だろう？
女性の気持ちって僕には良く
分からないからなぁ。
何かして欲しい事あるの？
リュカが言ってくれたら僕も出来る限り
リュカのお願いに応えるようにするねっ！
それって何？教えてくれるかなっ？」
リュカ
「えっ、おっ、教えるっ？・・・
わわわたしっ、いっ言えないわっ。
はは恥ずかしくてお願いなんて
無理よ～
だからクラウに察して欲しいのに～
クラウのバカ～(৹˃ᗝ˂৹)」
クラウ
「あっ？リュカ～何で行っちゃうのさ～？
・・・・・あ～あ・・行っちゃった。
何だかすねてたよね？みや何でか分かる？
リュカの気持ちって？
何が分かって無いのかなぁ？」
みや
｟・・・・何だか夫婦漫才のようねぇ。
クラウは鈍感でリュカの気持ちが分からず、
素直に言って欲しいと聞くけど
あんまり直球過ぎるし、
リュカは恥ずかしがり屋のツンデレが出て
肝心な事が言えない。
よくこれで夫婦になったよなぁ｠
「・・・まぁリュカは恥ずかしかった
だけみたいだから
そんなに気にしなくても大丈夫だと思うよ。
でも、クラウはもう少し女性の気持ちに
敏感になれるといいんだけどね」
クラウ
「僕にそんな器用な事できるわけないよ～。
僕は裏表無いペガサスだからねっ。
前に突き進むだけだよっ」
みや
｟確かにねぇ。
クラウは真っすぐだからなぁ。
でもリュカは照れ屋さんだから、
言わないでも察して欲しい気持ちも
分かるしな～まぁこれは夫婦間の事だし
当人たちが解決する問題ね。
ところで気になったのは・・｠
「ねぇクラウ、
その『裏表無い』ペガサスって・・・
人間の言葉をペガサスに使うと
なんか変だね（笑）」
クラウ
「むむっ。僕をからかわないでよっ。
でもさっ『裏表無い』って
面白い言葉だよね。
幻獣界ではまず考えない言い方
じゃないかなぁ。
でもまっすぐ前を向いて
進むペガサスらしくて
僕に似合うと思うんだよねっ」
みや
「クラウのお気に入りなのね・・
あ、でもそれってリュカの前では
言わない方が良いよ？」
クラウ
「えっ？なんで？
リュカにも是非知って欲しいけどなぁ？」
みや
「クラウ～そういうとこが
デリカシー無いと言うか・・
女性への気遣いが足りないって
言われるのよ。
リュカはツンデレになると本心と
反対の事を言うでしょ？
そのリュカに『僕は裏表無い』って
自慢するような事言ったら・・
どうなるか分かるよね？」
クラウ
「あ～っ、そ、そうだねっ💦
今すねているリュカに
更にそんな話をしたら・・・
考えるだけで怖ろしいっ。
みやっ教えてくれてありがとうっ。
あ～気づいて良かったよっ」
クラウ
「うん。
まぁリュカが今いなくて良かったねっ」
クラウ
「そうだねっ。
あ～でも僕に合ったいい
フレーズ無いかなぁ。
そうだっ。
リュカに後で聞いてみようかなっ
リュカならいい言葉思いつくかもっ」
そう話していたのですが
リュカが落ち着いた頃に聞いたところ
リュカ
「そうねぇ『裏表無い』で
いいんじゃないかしら？
えっ？私に気を使って使わない事に
しようとしたの？
うふふっ。気にする事無いわよ。
クラウの性格は良くわかっているから、
そう名乗っても全然気にならないわね。
でもそうね『根が単純』でも
いいかも知れないわねぇ」
と穏やかに笑っていました。
クラウ
「じゃあ、また続きを話すねっ」
みや
「うん。よろしくね！」
クラウ
「さっきの条件は全てを兼ね備えるって
なかなか難しいから、
少しでも条件に近い人が選ばれていたね。
あと好まれる行動の先祖供養だけど・・
今まで守護していた人たちを
大切に扱わない事は龍神様も悲しむよ。
でもお父さんのご先祖の墓は
今では遠く離れた土地にあるから、
少なくとも亡くなったお父さんを
大切にして欲しいと願っているよ。
だから龍神様が夢を通して人間の姿で
現れる時はみやがお父さんの為に
動いていた後だっただろう？」
みや
「うん。そういえば
お墓の事でお寺に行ったり、
お経をあげて貰う
相談してたり、
写経の後だったりの後だわ 」
クラウ
「お父さんを喜ばせると龍神様も
安心するんだ。
生前お父さんを守り切れなかった事で
龍神様もとても気にされているから。
だからお父さんを大切にしない人には
厳しくなるね。時には守護を外されるよ」
みや
「えっ？そうなの？」
クラウ
「でも、みやの家系の守護を
しているから少しは同じ血筋の
人には甘いとこもあるよ。
だから今後反省して
大切にしようとしてくれるなら、
また守護されるかもね。
それとご両親を大切にする事だね」
みや
「親孝行の事？さっきと同じ感じだね」クラウ
「龍神様はみやのご両親を
縁結びしているから
どちらも大切に思われているんだ。
みやはお母さんの事も
大切にしているだろ？
親族と関りを禁止されても一人で
必死でお母さんを守ろうとしているよね」
みや
「そりゃあ親族と関われない私の唯一の
家族だもの」
クラウ
「だからこそ龍神様はそのみやの姿勢が
嬉しくてお父さんの事やお母さんの事の
為に動いている時にやってくるんだ。
次に掃除だね」
みや
「掃除かぁ。良く言われる事だよね」
クラウ
「どの神様でも清浄な空間を好むのは
変わらないね。だからみやがお父さんや
お母さんの為に動いてその後更に掃除
をせっせとした後に龍神様も観音様も
来られているよね？」
みや
「確かに何故か掃除を頑張った後に
夢でも直接でも来て頂けてるよね」
クラウ
「みやを誘導して掃除をさせてから
来ておられるのか、またはみやが無意識で
来られる準備をしているのかは
分からないけどね。
もちろん急ぎの時は掃除をされていなくても
来ては頂けるけど、なるべく綺麗な空間を
好まれるよ。
次は前向きな姿勢だね」
みや
「前向きな姿勢？」
クラウ
「いつまでも人をねたんだり、
愚痴って自分の不幸を嘆いて暗い話を
してる人は龍神様は苦手なんだ。
今までの話で陰気が強いと龍神様と
反発してしまうという話もあったよね。
龍神様はどんな困難でも前向きな人が
好きだね。
みやはお母さんが車いすになっても
なんとかしようと色々動いてただろう？
親戚の誰の助けも借りれない
状態だったのに」
みや
「う、ん・・確かにそうだけど・・・」
クラウ
「亡くなったお父さんの事も
悪く言わなかったよね。
お父さんは悪霊の影響で大分周囲に
迷惑をかけていたのに。
だから龍神様はみやを助けようと
思ったんだ」
みや
「そうなんだ・・・
まさかそういった事が
関係しているとは思わなかったなぁ」
クラウ
「実は龍神様はあちこち巡りながら
みや達の様子も確認していたんだ。
みやはお母さんと夢の話を
頻繁にしてるのに
何故お母さんは3か月もお父さんが
迎えに来る
夢の話をしなかったと思う？」
みや
「私が仕事で忙しくしてたから
じゃないの？」
クラウ
「それは関係無いよ。
お母さんはお父さんに対しては
色んな思いがあっても、夫婦として
過ごして来たので深い信頼があるんだ。
なので怖いと感じなかった。
お父さんが悪霊に騙されていて、
お母さんを守るという思いから
迎えに来ようとしていたのを何も
知らずともお母さんは信頼していた。
龍神様も僕がいるので
そんなに最悪の事になるとは
思っていないので介入しなかった。
そしてどういう行動をするか、
どう考えるか試験として見ていたんだ」
みや
「えっ？それってどういう事？」
クラウ
「お母さんはお父さんを
悪く言わなかったよね。
それにみやはお父さんが迎えに
来ているって話で
お父さんが怖いって感じた？」みや
「お母さんを連れて行かれる
怖さは感じたけど
お父さん自身には怖いって
感じなかったけど・・・？」
クラウ
「お父さんに対して怖いと感じていたら
それはみややお母さんはお父さんに
対して陰気が強いって事だ。
お母さんのお父さんへの信頼や
みやのご両親への行動を見ていて
龍神様はみや達に
お父さんの手助けをして貰う事にした。
もしお父さんに対して少しでも
怒りや恐怖のような負の感情があれば
龍神様はみや達をお父さんの浄化には
関わらせなかったかもね」
みや
「・・・そうなんだ。
お父さんに対しては複雑な思いは
あるけど・・・生きていた時の
楽しい思い出もたくさんあるから、
悪く考えるのは難しいんだよね・・」
クラウ
「お母さんの夢の話を聞いた
みやが早速お寺に行く為に
電話して相談した姿を龍神様は見ていた。
だからみやがお寺に行った時も
お寺に移動している最中に何度も
みやにメッセージを送っていたんだ」
みや
「確かに。電車に乗ったら小学生の書いた
龍神様の絵がいっぱい飾られていたり
数字の8もあちこちで見かけたなぁ」
クラウ
「龍神様はその行動を喜んでいる事を
伝えたかったんだね」
みや
「私の行動が・・・家族なら普通で
大した事をしたつもりは
無いんだけどなぁ？
これ毎回言ってるけどホントに
普通の事しかしてないよ？」
クラウ
「人の感情は複雑だから
闇の念にとらわれてしまうと、
その普通の事も出来なくなる時が
あるんだよ。
龍神様は透明龍だから鏡のように
その人の行為や感情を反映するんだ。
太陽を感じる人には眩しく明るい存在に
闇を感じる人には怖く厳しい存在になる。
だからこそ、お母さんがお父さんを信頼し
みやがお父さんを怖いと
感じないでお父さんの為に行動をした事は
反射して龍神様もみや達を信頼して行動を
起こす事に繋がるんだよ」
みや
「そうなのね・・。クラウの話を
聞いていてふと思ったんだけど
龍神様は透明龍で鏡のように
反射するのなら
陰陽の二つの面も同じなのかな？
陽気を意識すれば龍神様に寄り添って
頂けるけれど
陰気を意識すれば龍神様は去って行かれる
って事かも」
クラウ
「うん。
常に陽気という良い面を
意識していくといいね。
そうすればどんな困難が来ても
乗り越える力になるし、
そういった人を龍神様達も
応援してくれる。
今後悪霊の排除に成功したら、
みやの次の世代では
龍神様の守護は無くなるだろうね。
でも同時に悪霊に悩まされることも
無くなるので、龍神様も安心して
去られると思うよ」
クラウの言葉と龍神様への感謝
呪いの事や龍神様の事を
知ったばかりの頃の事、
龍神様の事を話していた時にクラウが
言っていました。
クラウ
「龍神様にとって人間の一生は、
龍神様がひと休みしていたり、
ちょっとまばたきしている間に
終わってしまうそんなはかない存在だ。
それでもご先祖さまやお祖父さんとの
約束を守って、みやの家系を守って
くださっている。
それはご先祖様やお祖父さんとの
短い交流をとても大切に、
宝物のように思われているからなんだ。
どんなに悪くてずるい人間を見てきた後でも、
龍神様はそんな思い出があるから、
人間が好きだよ。
でも僕にはとても、とても想像が出来ない程
大変な事だと思う。
何百年もの間、
気に入った人間が次々にいなくなり、
誰も自分の存在を理解してくれなくても、
ずっとその家系を守り続けるなんて。
みやのご先祖の中には、
龍神様に守られている事を
一生知らなかった人もいただろうね。
今回の事で呪いや龍神様の事を色々と
知って、みやはショックだったと思う。
龍神様はそんなみやが落ち込んでいる
だろうと心配されて夢に現れたり、
その後も
『大丈夫だよ。そばについているよ』と
何度もサインを送ってくれているよね。
龍神様はとても優しい偉大な方だね。
みやはそうして守ってくれる
龍神様に感謝しなければいけないと思うよ」
みや
クラウのその言葉はとても胸に
しみました。
長い長い歴史の中で龍神様が
どうやって先祖を守って来られたのか、
全てを知る事は出来ませんが
その歴史の重みや、苦労がどれほど
あったのかと思うと想像しているだけで、
気が遠くなりそうな長い年月です。
人間が感じる年月は龍神様にとっては、
多少は短くなるのでしょうが、
それでも長い間、
ずっと先祖代々見守って下さった龍神様。
サインを送って励ましてくれ、
守ってくれる龍神様に
色んな思いがこみ上げて泣きたくなりました。
クラウの言う通り 感謝を忘れては
いけないなと、しみじみ思いました。
※陰陽の言葉に陰極まれば陽になり、
陽極まれば陰となる。
という言葉があります。
次回はその話の説明や他にもクラウの
大判焼きの話題、クラウとリュカのロマンス、
リュカの調和がいつ整ったか等色々な話を
織り交ぜてお伝えしますね！
最後に「陰極まれば陽になり」
この言葉の通り今が陰極まっているとしたら
必ずその後は陽になります。
どうか陽気に意識を向けて下さいね！
