セイちゃんはいつも元気に空を飛んでいます。
セイちゃん
「今日もお空の風が気持ちいいな～」
みや
「セイちゃん。今から出かけるけど
一緒に行く？」
セイちゃん
「行く～！ねぇみやちゃん一緒に
お空飛ぼうよ～
みやちゃんはまだ飛べないの？
いつになったら飛べるようになるの？」
みや
「えっ？人間は空は飛べないよ？」
セイちゃん
「そうなの？人間はまだ飛べないの？
子供だから飛べないんじゃないの？
じゃあ、いつ飛べるようになるの？」
どうもセイちゃんは人間は龍と違って
大人にならないと飛ぶことが出来ないと
思っていたようでした。
みや
「セイちゃんは人間が
まだみんな子供だと思ってるの？」
セイちゃん
「うん。だってお父さんは大人だから
とっても大きいの。
人間は僕たちより小さいでしょ？」
みや
（確かに龍雲で見ると
3歳くらいのセイちゃんでも
とても大きかったなぁ）
「人間が大人になっても
飛ぶことは出来ないのよ」
セイちゃん
「そうなの？お空飛べないの？
一緒にお空とびたいのに・・・
つまんないっ」
みや
｟こればっかりは
どうしようも無いからなぁ・・・｠
そんな話をしながら歩いていると
たまたま龍宇様が他の小龍ちゃん達を
連れて空を優雅に飛んできました。
セイちゃん
「あっ！お父さんだっ！
お父さ～ん。僕も一緒に
お空のお散歩する～。
一緒にお散歩連れて行って～」
龍宇様
「ふむ。それはダメだな。
セイはもうみやに預けている。
セイが待ってるのに飽きたからって
みやの所に行くのを選んだんだ。
しっかりみやの補助をしなさい。
私はまだ他の派遣の決まっていない
小龍達を見ているから
一緒には行けないよ。
これから遠くまで飛んで行くのに
セイは帰れなくなるだろう？」
そうして小龍達と優雅に
去っていきました。
空の散歩に大量の
小龍の面倒を見ているので
すっかり保父さんのような
龍宇様です。
セイちゃん
「お父さん・・・一緒に行きたいのに・・
みんなでお空のお散歩いいなぁ・・」
しょぼんとしているセイちゃんが
可哀そうになって来ました。
みや
「ねっ、セイちゃん、元気出して！
下から見てるから空を飛んで来たら？
セイちゃんの好きそうな風が
吹いてるんじゃない？」
そう励ましてみました。
でも励ましている最中には
セイちゃんは空が大好きなんで
すぐにもう遠くの方を眺めて何かが
気になっている様子でした。
セイちゃん
「あっ！あっちの方に面白い匂いが
するっ。みやちゃんっ！
ちょっとお空を飛んでくるねっ」
とまだ小さいので早く飛べないながらも
クルクルッと一回転しながら
さっさと飛んで行ってしまいました。
みや
｟あっという間に気分が変わって
行っちゃった・・・
落ち込んでみたり、元気になってみたり
コロコロ変わってるけど
感情が豊かで可愛いなぁ｠
セイちゃんはその後夕方まで
お空の散歩を楽しんでいました。
